儲かる飲食店で必ず押さえているメニュー作りの5つのポイント
どのような料理やドリンクを提供するかというメニューの基本方針を決めることが、まずは重要なポイントとなります。
20代の男性サラリーマンと、30代の健康志向が高い女性では、喜ばれるメニューが違ってくると思われます。また、例えば基本コンセプトが、「新鮮な海産物を提供する海鮮居酒屋」としているのに、メニューに肉料理が充実しているのも違和感をもたれてしまいます。
また、メニューを決める時の重要な要素として、料金水準をどの程度に設定するかということがポイントとなります。
料金も基本コンセプトやターゲット、お店の雰囲気など他のコンセプトと強く結びついていて、微妙なかじ取りが求められる要素となります。何よりも、お店の利益を左右する重要なポイントになります。
その他、どこから材料を仕入れるかという仕入ルートの論点や、どのくらいの腕をもった料理人が必要かといった人材の論点にもつながるという幅広い影響力を持つのがメニューのコンセプトです。
メニューの入れ替えなどは問題ないですが、コンセプトから外れた料理やドリンクの提供はお客様が離れていく一つの要因にもなりますので、メニューのコンセプトはしっかりと検討しておきましょう。
なお、お店のコンセプトについては、こちらの記事をご覧ください。
飲食店を開業する前に決めておくべきお店のコンセプト
ポイント② 集客商品を設定する
飲食店を繁盛させるためには、まずはお客様に来店していただく必要があります。
そこで、重要となるのは、お客様が「あ、あのお店は〇〇があるから行こう」と思ってもらえる集客商品を用意しておくことです。
例えば、マクドナルドなら100円マック、鳥貴族なら280円のビールなどがあげられます。
この集客商品については、これがあればOKというようなどんなお店にでも共通する正解はなく、それぞれのお店のコンセプトから導かれるものとなります。
ターゲットやエリアから考える
具体的には、お店のターゲット客、お店の立地や雰囲気などから考えていくべきです。
例えば、繁華街にあるサラリーマンがターゲットの居酒屋であれば、280円ビールやワンコインセットのようなものが集客商品になりえますし、ロードサイドにあるラーメン屋でしたら、子供のいるファミリーを呼び込むために、お得なお子様セットが集客商品になりえます。
ターゲットがどのような層で、どのようなニーズを持っているかを考えて、集客商品を設定すべきです。
お客様の回転数をあげる目線で考える
お店の利益に与える影響として、家賃や人件費などの固定費は大きな割合を占めています。そのため、固定費を回収するためにできるだけお客様の回転数をあげることが、儲かるお店への重要なポイントとなります。
例えば、お客様の来店が少ない時間帯にもう1回転を作り出すために、特定の時間帯限定の値引きイベントなどがあります。
居酒屋であれば、18時までに来店してくださったお客様にビールを280円で提供する、などです。
集客商品で儲けを取りに行かない
集客商品は、あくまでお客様に来店していただくための商品です。したがって、集客商品に集客と利益を両方求めると、中途半端な商品になりかねません。
集客商品はあくまでお客様に来店していただくための商品と割り切って、その後に利益率の高い商品(一般的には、これをバックエンド商品と言います)を注文していただくことで、トータルの客単価をあげていくという戦略が重要です。
そのために、利益率の低い集客商品で来店していただき、利益率の高いバックエンド商品を注文していただくようなメニュー作り、接客などの仕組みを作っていきましょう。
ポイント③ 原価率が低い商品を作る
ポイント②では、お客様に来店していただくための集客商品を作ることを書きましたが、ポイント③では、儲けを取りに行くバックエンド商品を作るという点について、書いてみます。
儲かっているお店では、原価率が低いバックエンド商品を持っています。
例えば、先ほどのマクドナルドでは、100円マックがある一方で、マックポテトは、仕入原価19円のものを250円で販売していると言われています。原価率は、実に7〜8%となっています。
バックエンド商品とすべきものとしては、調理に手間がかからないものや仕入価格が低いもの、比較的よく注文が入るものなどが考えられます。
重要なのがレシピ表
原価率が低いバックエンド商品を作るために必要となるのが、レシピ表です。
レシピ表とは、ここのメニュー毎に作るレシピに基づいて、それぞれ使用する材料や調味料などの使用量を記載するとともに、その仕入原価を合わせて記載し、メニュー毎の原価を計算した表になります。
例えば、次は焼き鳥2本(販売価格300円)のレシピ表となります。
材料名 | 使用料 | 標準単価 | 材料費 |
---|---|---|---|
鶏もも肉 | 1枚 | 80円 | 80円 |
ねぎ | 1/2本 | 30円 | 15円 |
焼き鳥のタレ | 大さじ1 | 5円 | 5円 |
レタス・ひと口大にちぎる | 1枚 | 10円 | 10円 |
レモンのくし形切り | 1切れ | 5円 | 5円 |
合計 | 115円 |
ポイント④ メニュー数を増やしすぎない
お客様のニーズは多様です。そのために、お客様のニーズに応えようとすると、どうしてもメニューが増えていってしまいがちです。
メニューを増えるとお客様の選択肢が増えるなど、いい点ももちろんありますが、メニューが増えすぎてしまうとよくないことが起こってしまいます。
以下でメニューを増やした場合のデメリットを記載しましたので、こちらをみていただきながら、メニュー数をどの程度にすべきかを考えましょう。
お店のコンセプトがぶれる
例えば、焼き鳥専門店というお店に入って、メニューにお刺身がたくさんあると、若干違和感を持ってしまいます。
また、ラーメン屋さんに入って、うどんやそばのメニューが充実していると、ちょっと残念な気持ちになることがあります。
このように、お客様のニーズがあるからといって、お店のコンセプトと外れた商品をどんどん増やして行くと、お客様に「このお店は何屋さんなの?」という疑問を持たせてしまいます。
その意味でもお店のコンセプトは重要です。お店のコンセプトをしっかり意識しながらメニュー数を考えていくことが重要なポイントとなります。
材料のロスが生じる
メニュー数が増えると、どうしてもストックしておく材料が増えてしまいます。
常に品切れを起こさないようにしようとすると、材料の在庫を増やさないといけないため、仕入コストがかさんで資金的に厳しくなります。また、使用しないで廃棄しないといけない材料も増えてしまうため、廃棄ロスも多くなりがちです。
その結果、メニュー数を増やせば、原価率が悪くなるということになってしまいがちです。
ポイント⑤ 一押しメニュを作る
ポイント④でメニュー数は増やしすぎないことを書きましたが、これでは、お客様の料理を選ぶという楽しみが減るのではないかという疑問が残ります。
その疑問を解決する策として、一押しメニューを作ることが考えられます。
一押しメニューは、自分たちが一番得意とする料理を軸に設定し、原価率を抑えながら料理の味や品質、接客レベルをあげていき、お店の売りを作ることができるメニューのことを言います。
例えば、海鮮居酒屋なら、お刺身や魚料理、焼き鳥店なら、鳥料理、洋食屋ならオムライスなど、その店がもっとも得意とする料理のメニューに注力していくことです。
一押しメニューが増えれば増えるほど、お店の特色が出るようになります。そうなると、リピーター客も増えていき、売上が安定していきます。
また、スタッフのメニューに対する習熟度も上昇していくため、接客レベルもあげることができます。
お店の売りを作ることが、儲かる飲食店への重要なポイントとなりますので、メニュー数はやみくもに増やすのではなく、一押しメニューを中心に筋肉質にしていきましょう。
日本産食品の現地での 販売価格 、どれほど高い? FOB価格の計算方法
販売価格
この記事を読むのに必要な時間は約 9 分です。
海外では、日本から輸出された食品は、現地のモノと比べると高い!と言われます。
販売価格 には、輸送費、関税、保険、そして現地の卸や小売店の利益が乗ってくる。
どうしても現地生産品と比べると高くなるのは、当たり前。
では、どのくらい高くなってしまうのか?
また、FOB価格の計算方法についてもご説明いたします。
日本産食品の 販売価格 の試算
<例: 小売店で販売される日本商品 >
つまり、国内小売価格の約2~3倍の値段になります。
これに、為替レートの変動が加わり、現地での「価格感」となるわけです。
現地では、誰が購入するのか?
問題は、「(1)現地の富裕層」です。
この富裕層は、一体どのくらいの年収があり、どこで買い物をしているのか、が分かれば、そこに焦点を絞っていけばよいのです。 最適な販売価格の決め方
以下もご参考ください。
外国都市部の 富裕層の所得水準 は?
海外バイヤから求められる「 FOB価格 」とは?
ところで、海外バイヤから「価格表(Price list)を出してくれ!」「見積(Quotation)を出してくれ!」と頼まれた方もいらっしゃると思います。
通常、価格表は CIF価格 、 FOB価格 という 貿易条件 に基づく価格のことを指しています。
- CIF価格は、輸出者が相手国の港で荷揚するまでの費用を含む。
国内卸価格に、国内輸送・梱包・通関・海上輸送・保険料等の費用を加えて算出します。 - FOB価格は、輸出者が国内の港で本船に荷積みするまでの費用を含む。
国内卸価格に、国内輸送・梱包・通関などの費用を加えて算出します。
ところがこれを出すためには、ご存知のように、商流・物流を組み立てないと、なかなか出せません。
貿易に関する知識がまず必要になります。
そして、輸出・輸入業者を決めることも必要です。
「取引ロットがわからないと、価格の出しようがないじゃないか!」と思われた方もいらっしゃるでしょう。
その通りだと思います。
FOB価格の計算方法
いちばん単価が安くなるのは、海上輸送かつFCL(コンテナを丸々一つ借りる場合)となります。
しかし、海外バイヤもいきなり大量の現地在庫を抱えたくはありません。
そのため、当面は、海上輸送かつLCL(輸送業者のコンテナに荷物を混載する場合)の方が、現実的でしょう。
- パレット・セットアップ:輸出業者によるパレット組の料金。ここでは、同一品目で1パレットを組んだ場合を想定。パレット台費用を含む場合もある。
- CFSチャージ:貨物のコンテナへの荷捌き及び取り扱い費用。1パレットあたり。
- 輸出書類作成費:輸出に関する書類作成の費用。1件あたり。
- ハンドリング・チャージ:コンテナターミナルにおける、コンテナの移送・積載費用。1パレットあたり。
- 通関費用:輸出通関申告1件あたりの費用。
- 国内輸送保険代:必要に応じて。
- その他、梱包費用、国内輸送費、入庫・出庫料、など
いかがでしょうか、積み上げていくと、かなりのコストになります。
基本的に、パレット単位でさまざまな費用がかかってきます。
海外バイヤの価格メリットを考えると、なるべく単価を抑えた方が良いでしょう。
一方で、在庫リスクのデメリットも想定しておくことも必要だと思います。
そこで、FOB価格の試算表サンプルをご用意いたしました。
商品の卸価格、箱(カートン)のサイズや数量、などから、箱あるいは1個のFOB価格を試算することができます。 最適な販売価格の決め方
また、海外バイヤへ提示するFOB価格表のひな型も付いています。
メニュー「資料ダウンロード」から、サンプルEXCEL表をダウンロードすることができます。
ご参考ください。
植草
いきなり「CIF価格を出せ」と言われても困る!
そのような場合、最初のステップとして「商社経由で輸出する方法」が望ましいと思います。
いわゆる「間接輸出」です。
取引量が多くなれば、自社に輸出担当を置き、「直接輸出」に切り替えれば良い。
それまでは「間接輸出」すれば、「国内取引・国内決済」となり、取引リスクもかなり減ります。
(もちろん、リスクがまったく無い、というわけではありません。)
この場合、さきほどの海外バイヤへは「直接取引の経験が無いので、国内商社経由で取引したい」「CIF価格の代わりに、商社経由で現地の価格表をお渡ししたい」旨をお伝えします。 最適な販売価格の決め方
そして、所在国(あるいは都市)への取引実績のある国内商社と現地商社を探し、その現地商社経由で価格表を出していただきます。
海外取引の商流セットアップ
ちなみに、当社では、海外バイヤのリクエストに沿った国内商社・現地商社をセットアップしております。
海外バイヤから「あなたの商品の見積りが欲しいが、日本に指定商社がいない」という依頼を受けた場合には、お役に立てると思います。
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