(27)(38)(40)の三か所に、先ほど第三表の最後に記入した(86)の税金額を転記します。
FX確定申告|かんたん書き方マニュアルと税金節約テク
まずは必要な書類を集めましょう。
FXの確定申告に必要な書類
1月1日~12月31日の期間、FXによって 利益が出た のか、 損失が出た のかによって、必要な書類も少しだけ変わります。
FXで利益が出たとき
FXで損失が出たとき
申告書に添付するもの
確定申告書類に記入してみよう
先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書
1.取引内容を記入する
名前を記入し、「雑所得用」に丸を付けます。
次に、各FX会社から取り寄せた「年間取引報告書」を参考にして画像の丸で囲った部分へ取引内容を記入します。
種類には「為替証拠金」、決済の方法には「仕切」と記入しましょう。
同じ口座で何度も取引している場合は、「決済年月日」や「数量」は空欄で問題ありません。
2.決済による利益を記入する
3.必要経費を記入する
4.所得金額を計算して記入する
確定申告書B第二表
5.所得の内訳を記入する
住所氏名を記入し、源泉徴収票を参考に所得と所得控除の内訳を記入します。
確定申告書B第一表
6.収入金額と所得金額を記入する
7.所得控除を記入して合計する
先ほど記入した第二表から当てはまる所得控除を転記し、合計した数字を9に記入します。
主な税額控除の一覧
災害や盗難などで受けた損害分。
1.損失額-総所得金額×10%
2.災害関連支出-5万円 FXと税金の関係
このどちらか金額の多い方が適用される。
本人や家族の医療費が年間10万円を超える場合。
1.医療費-保険補填額-10万円
2.医療費-保険補填額-総所得金額の5%
このどちらか金額の多い方が適用される。
地震保険料を支払った場合。
地震保険料:最大5万円
旧長期損害保険料:最大1万5000円
合計で最大5万円まで。
配偶者控除:年間所得が38万円以下の配偶者がいる場合
38万円(配偶者が70歳以上の場合は48万円)
配偶者特別控除:年間所得が38万円超・76万円未満の配偶者がいる場合
最大38万円
確定申告書B第三表(分離課税用)
8.収入金額を記入する
9.所得金額を記入する
同じく計算明細書から、(12)所得金額の合計額を、(67)先物取引の欄に転記します。
10.所得と所得控除を記入する
次は第一表を参考に、(9)所得金額の合計と、(25)所得から差し引かれる金額を書き写します。
(70)対応分を記入します。
(9)総合課税の合計額-(25)所得から差し引かれる金額=(70)対応分
ここのように下三桁に0が並んでいる場合は1000円以下切り捨てで記入しましょう。
例:103万5602円→103万5000円
11.(67)FXと税金の関係 対応分を記入する
同紙、(67)の先物取引の金額を転記します(1000円未満切り捨て)。
12.源泉徴収額を計算して記入する
(70)の税額を計算して(78)に記入します。
課税額によって税率と控除額が変わるので、下の表を参考にしてください。
計算の仕方
同紙の(70)×税率-控除額=(78)
例:103万5000円×5%-0円=5万1750円
所得税の早見表
課税額 | 税率 | 控除額 |
195万以下 | 5% | 0円 |
195万超330万以下 | 10% | 9万7500円 |
330万超695万以下 | 20% | 42万7500円 |
695万超900万以下 | 23% | 63万6000円 |
900万超1800万以下 | 33% | 153万6000円 |
1800万超 | 40% | 279万6000円 |
13.申告分離課税額を計算して記入する
(67)の税額を計算して(83)に記入します。
税率は15%となります。
計算の仕方
同紙の(75)FXと税金の関係 ×20.315%=(83)
例:38万4000円×15%=5万7600円
14.税金額を合計して記入する
(75)~(85)までの税額を全て合算して記入します。
確定申告書B第一表
さっき途中まで書いておいた[第一表]を仕上げたら確定申告終了です!
15.計算した税金額を記入する
(27)(38)(40)の三か所に、先ほど第三表の最後に記入した(86)の税金額を転記します。
16.復興特別所得税を計算する
復興特別所得税を計算し、所得税と合計します。
計算の仕方
同紙の(40)×2.1%=(41)
例:10万9350円×2.1%=2296円
(40)+(41)=(42)
例:10万9350円×11万1646円
17.源泉徴収額を転記する
源泉徴収票から源泉徴収税額を書き写します。
17.申告納税額を記入する
(45)に申告する納税額を計算して記入します。
計算の仕方
(42)-(44)=(45)
プラスの場合は(47)に転記(100円未満切り捨て)。
マイナスの場合は(48)に転記する。
例:11万1646円-5万2800円=5万8846円
(45)5万8846円
(47)5万8800円
個人が外貨建て取引を行ったときの円換算レート
TTS>TTM>TTB
【所得税の確定申告】外貨建て所得の換算
区分 | 原則 | 例外(不動産所得など) |
収益・資産 | TTM | TTB |
費用・負債 | TTM | TTS |
どこの金融機関のレートを使う?
メインで取引している金融機関の為替レートを使うのが原則です。
外貨建て所得の換算は、取引日のTTMが原則
継続適用を条件に、換算ルールに例外あり
例外として、収益・資産はTTB、費用・負債はTTSで換算できます。継続適用が条件です。
不動産所得・事業所得・雑所得・山林所得
収支表を外貨表示で作成しているときは、年末の為替レートで換算可能
不動産譲渡
項目 | レート | 条件 |
売却収入 | TTB | 受け取った外貨を都度、すぐに売却して日本円で受け入れ |
取得費・譲渡費用 | TTS | 日本円で外貨を購入してすぐに支払いにあてている |
Q&A:海外不動産の収支表を外貨表示で作成しているときの換算
Question
賃貸収入 | Rental Income | $ 30,000 |
保険料 | Insurance | $ 1,500 |
修繕費 | Repairs | $ 500 |
管理費 | Management Fees | $ 3,000 |
減価償却費 | Depreciation | $ 8,000 |
利益 | Net Income | $ 17,000 |
Answer
賃貸収入 | 2,040,000円 | $ 30,000×TTB 68円 |
保険料 | 108,000円 | $ 1,500×TTS 72円 |
修繕費 | 36,000円 | $ 500×TTS 72円 |
管理費 | 216,000円 | $ 3,000×TTS 72円 |
減価償却費 | 1,196,000円 | $ FXと税金の関係 400,000×TTB 65円×0.046 |
利益 | 484,000円 |
x3年の為替レートの平均値:TTM 70円、TTB 68円、TTS FXと税金の関係 72円
x1年の建物取得時の為替レート:TTB 65円
定額法の償却率:0.046(耐用年数 22年)
外貨預金の為替差損益の取り扱い
日付 | 預入 | 払出 | 為替レート | 備考 |
7月7日 | 10万ドル | 100円 | 円⇒ドル | |
7月14日 | 5万ドル | 106円 | 円⇒ドル | |
7月21日 | 1万ドル | 105円 | ドル⇒円 |
【相続税・贈与税の申告】外貨建て財産・債務の換算
どこの金融機関のレートを使う?
外貨預金など、金融機関を特定できるものは、その金融機関が公表しているレートを使います。任意にレートを選ぶことはできません。
一方、海外不動産など、金融機関を特定できないものは、その財産を取得した人が取引している金融機関の公表レートを使います。取引先の金融機関が複数あれば、任意にレートを選ぶことができます。
Q&A:海外不動産を共有で相続する場合に選択するレート
Question
長男が取引している銀行の公表レート
TTB:A銀行 106.20円、B銀行 106.22円
次男が取引している銀行の公表レート
TTB:B銀行 106.22円、C銀行 106.25円
Answer
各銀行のTTBレートは小さい順に、A銀行 106.20円<B銀行 106.22円<C銀行 106.25円となります。
各銀行が公表しているレートのうち、小さいレートを選択すれば、相続するアメリカの不動産の換算価額を小さくすることできるため、相続税の計算で有利になります。
【初心者必見】FXに関わる税金とは 必要条件や計算方法について
FX取引の利益(課税対象) FXと税金の関係 = 30万円 + 1万円 - 1万円 =30万円
FX取引で発生した利益に対する税率は、一律20.315%(所得税15.315%、住民税(地方税)5.0%)となりますので、所得税額、住民税(地方税)額は、以下の通りとなります。
所得税額 = 30万円 × 15.315% = 45,945円
住民税(地方税)額 = 30万円 × 5% = 15,000円
税額合計(所得税額+住民税(地方税)額) = 60,945円
- ※3 スワップポイント
FX取引では、金利の異なる2つの通貨を売買します。よって、2つの国の金利差が発生し、この金利差を日割りにしたものがスワップポイントです。例えば、金利の高い国の通貨を買い、金利の低い国の通貨を売った場合、スワップポイントを受け取ることになります。
- ※4 諸経費
FX取引における手数料だけではなく、雑所得(先物取引に係る雑所得等)では必要経費が認められます。必要経費としては、FX取引セミナーの受講料、FX取引の勉強をするために購入した参考書などの書籍代、FX取引のために購入したパソコン費用などについて認められる場合があります。所轄の税務署などで確認するとよいでしょう。
FX取引は確定申告を行ったほうが良い
- ※ 投資は自己責任でお願いします。
プロフィール:
中田FP事務所 代表/CFP®認定者/終活アドバイザー/NPO法人ら・し・さ 正会員/株式会社ユーキャン ファイナンシャルプランナー(FP)講座 講師/元システムエンジニア・プログラマー
給与明細は「手取り額しか見ない」普通のサラリーマンだったが、お金の知識のなさに漠然とした不安を感じたことから、CFP®資格を取得。
現在、終活・介護・高齢期の生活資金の準備や使い方のテーマを中心に、個別相談、セミナー講師、執筆などで活動中。
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